to.zen.sou

つれづれなるまゝに、日くらし画面に向かひて

タイムトラベル③

3人での初めてのドライブを終えた僕は、より一層気になる女子と仲良くなりたいと思うのだった。今日は、それからの事を書いてみようと思う。


3人でのドライブから数日、今度は気になる女子と2人でドライブに行きたいと思ったのだった。そろそろホタルが見られる季節だったので、これまで見たことの無かった僕はホタルを見に行こうと計画した。

すると、”お供しましょう∵”とLINEが返ってきた。やった!と言う気持ちと共に、この何とも言えない空気感の返信に独特の可愛らしさを感じたのだった。

そして当日、僕は愛車の紺色のファンカーゴで気になる女子の元へ向かった。そして今度は彼女を助手席に乗せ、僕らのドライブは幕を開けた。

少しお洒落な食事がしたかったのでDiamond Pizza&Coffeeでピザとアイス、ドリンクのセットを注文した。これは功を奏し、これまでシャイで人前であまり食べられなかった彼女も美味しく完食することができたのだった。

腹ごしらえを終えた僕らは、本命のホタルを見るために蛍遊の水辺・由加に向かった。駐車場に車を停めた僕は自前の小型懐中電灯でドヤ顔で足元を照らし、彼女を連れて遊歩道を歩き出した。そこにはまばらに光るホタル達の姿。初めてということもあり僕は感動した。後で分かったのだが彼女の地元はホタルの街のある真庭。近所の川でホタルがブンブン飛んでいるらしい。内心、大したことねーなー。って思ったそうだ。この時のために下見までしていたのに。

思ったより時間が余ってしまったので我が地元の切り札、瀬戸大橋を見に行くことにした。その日は土曜日。ちょうどライトアップしていたのだ。調子に乗った僕はまた小型懐中電灯で足元を照らし、遊歩道を歩いて鷲羽山山頂へ登った。鷲羽山山頂は周りが開けており360°大パノラマで見渡せる僕のお気に入りの場所だった。きれいな景色に彼女も喜んでくれた。そして、夜9時。ちょうど僕らの目の前で瀬戸大橋は明かりを消した。何か特別な事が起こる予感がした。

そして、その日は彼女を送り楽しいドライブは幕を閉じた。


それから、祭りの運営会議で顔を合わす事も多くだんだん仲は深まり、そのお陰もあって僕が部会長を努めた祭りは大盛り上がりで大成功を納めた。より調子に乗ることができたのだ。

祭りが終わってからも、これで終わりたくなかった僕は彼女をドライブに誘い続けた。イオンモールなど、大したところへは行けなかったが彼女と過ごす時間は何時も楽しかった。

なのに、関係は変わらず友達のまま。そう、告白はしていたものの振られ続けていたのだった。


それから時は過ぎ11月4日。そろそろ付き合ってよ。いいよの日で、良いよって言ってよ。なんて言ったけど駄目。納得のいかなかった僕は翌日も会うことにした。

そして忘れもしない2014年11月5日。岡山駅西口の地下駐輪場出入口。
こんなに一緒におって楽しいのになんで付き合ってくれんのん?これで付き合えんとか今までの時間なんなん?納得いかん。僕は大人気なく怒っていた。すると、”そんなに言うならいいよ。付き合ってあげる。名だけの彼女だけど。でも、嫌になったらすぐ別れるよ。”
こうして僕らは付き合うことになった。

ご飯に行きたかったが彼女は卒論真っ最中で行くことが出来なかった。

複雑な気持ちではあったものの嬉しかった僕は自転車を置き、一番に大親友へと電話をかけた。
”俺、付き合えたよ。本当にありがとう。なんか、このまま結婚できたらええな。その時はまた一番に伝えるよ!あと、メシ食ってないんよ。児島駅前のジョイフル行こう。”

そうして僕は色んな気持ちを胸に大親友の待つ児島へと電車に乗りこんだのだった。