オートメッセに行く ②
黄色いダッジ・チャレンジャーの洗礼を受けた僕らは引き続き会場を回った。
バチバチのツラと車高の改造車の数々。身をかがめスカートを覗くようにフェンダーを覗くと絶妙に当たっていない。サスペンションやアーム、ホイールを駆使し仕上げた改造車達はさながら芸術品のようだった。
次に僕らの目に飛び込んできたのは日本を代表するカスタムショップのブースだ。日の丸カラーの戦闘機のようなFerrari F40、バックで流れるMy Life Be Likeそこはまるでワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFTの世界だった。この世にはこんな世界もあるんだなと思った。
それからもブースを巡るウォークラリーは続いた。街道レーサーや、V8エンジンとデカいタービンを換装したおかげでラジエーターのスペースが無くなりトランクぶった切って載せたドリ車など僕らの目を飽きさせなかった。
それから数時間、やっとの思いで辿り着いたFerrari 488 Spiderその存在感は半端ではなく王者の風格が漂っていた。僕らはこれを見に来たんだなと改めて思った。
満足した僕らは会場を出るため足早に歩き始めた。
そして、最後の最後に向かったのはTOYOTAのブース。話題のEVハチロクもあったが僕を一番感動させたのはオプションのリップスポイラーとサイドスカート、えげつない深リムのSUPER R·A·P、光り輝く4連キャブのAE86後期だった。この車が良い〆となった。
今まで自分の”好きなモノに対する情熱”を忘れかけていたが、このAE86がそれを思い出させてくれたような気がした。小学生の頃、同級生の家でゲームをしていなければ、この車に出会っていなければ僕は整備士にはなっていなかっただろう。
大親友も小学生のころテレビでサーキットを走るFerrari F40を見ていなければ車好きにはなっていなかっただろうと言っていた。
峠を走る走り屋の車、サーキットを走るスーパーカー。ジャンルは違えど互いに車を好きになっていなければこんなに仲が良くはなってはいなかったかもしれない。
僕らの原点に立ち返るような素晴らしい大阪の旅だった。これからも僕は自分の好きなモノに情熱を注ぎひたむきに歩んでいきたいと思ったのであった。